相手が同性愛者だと知った場合に離婚はできるか?

結婚当初は相手が同性愛者であることを知らず、数年経ってから知った場合、これを理由に離婚はできるのでしょうか?

相手が同性愛者だと知った場合に離婚はできるか

裁判上、離婚が認められるためには法定離婚原因(詳しくは「法定離婚原因」)に該当している必要があります。

相手が同性愛者だったということは、一見、不貞行為に該当しているように感じられますが、法律では同性同士の性行為を不貞行為としてはいないのです。

不貞行為は配偶者以外の異性が対象

そもそもなぜ同性愛は不貞行為に該当しないのでしょうか?

法定離婚原因として定められている不貞行為は、配偶者以外の異性と性交渉を行うことです。

つまり、同性愛の場合、異性との性交渉には該当しないため、法律という概念の中では不貞行為に該当しません。

とはいえ、現実はそう簡単に受け入れることができないのも事実です。

実は、このような問題は過去に裁判で争われたことがありました。

夫が同性愛者であり、それを後から知った妻が離婚と慰謝料を求める訴えを提起したのです。

結果として裁判所は、離婚を認めた上、慰謝料として150万円の支払いを夫に対して命じました。

しかし、この裁判では、夫の同性愛が不貞行為として認められたわけではありません。

婚姻を継続し難い重大な事由として離婚を認めた

この裁判において裁判所は、不貞行為による離婚ではなく、婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚を認めました。

裁判では、同性愛とは性的嗜好であり、「そもそも夫婦関係に悪影響を与えるものなのか?」といった議論もされました。

また、不貞行為とは認めていないまでも、同性愛に対して性的異常が明らかで医学的に矯正できないのであれば、同性愛者であることが離婚原因として認められても仕方がない、といった受け取り方もできる内容でした。

とはいえ、この判決は昭和47年と、一昔前の判決となっています。現代社会において同じような判決が出されるとは限りません。

性に対する考え方は時代によって大きく変わってきています。

重要なのは婚姻関係を継続できるか否か

今後、民法の改正などによって法律が変わっていく可能性は十分にありますが、上記のように、現状では同性愛を不貞行為と認定するのは難しいです。

相手が同性愛者であることに離婚を求めるのであれば、婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚の訴えを提起することになります。

よって、裁判で重要になるのは婚姻関係を継続できるか否かに終始します。

もちろん、裁判にまで発展する前段階であれば、法定離婚原因がなくとも離婚は可能となっています。この場合も、婚姻関係を継続できるか否かを中心に話し合いをするのが良いでしょう。

カテゴリー:婚姻を継続し難い重大な事由

関連記事
婚姻を継続し難い重大な事由の定義って?
性格の不一致を理由に離婚はできる?
浪費癖がひどい相手と離婚はできる?
相手からの暴力を理由に離婚はできる?
セックスレスを理由に離婚はできる?
逮捕されたことが離婚理由になるのか?
宗教を強要する相手と離婚はできるか?
親の介護を拒む相手と離婚はできるか?
モラハラを理由に離婚はできるか?