相手が子の引き渡しを拒否した場合は?

裁判所から子の引き渡しを命ずる審判決定が出たにも関わらず、相手がそれに従わない場合、どのように対処をすれば良いのでしょうか?

相手が子の引き渡しを拒否した場合は?

こういった場合は、強制執行手続き(国が強制的に執り行う手続き)として、「間接強制・直接強制」といった手続きを利用することが可能となっています。

どちらも家庭裁判所での手続きになるため、専門知識が必須となっています。

そこで今回は、この2つの手続きについて詳しく説明します。

子の引き渡しにおける間接強制とは?

間接強制とは、裁判所が下した引き渡し決定の期限までに子の引き渡しをしない場合、一定額の罰金を支払うように家庭裁判所が相手側に命じる手続きのことを言います。

ここでの一定額というのは、家庭裁判所の運用ごとに異なっているのですが、一般的には3万円前後です。

要するに、間接強制は罰金という現実的な不利益を被らせ、相手に心理的な圧迫をかけることを目的とする手続きです。

しかし、間接強制を必要とするような相手の場合、ここでも引き渡しを拒むことがあり、子の引き渡しが実現しないこともあります。

こういった場合は、次に説明する「直接強制」という方法を用いることになります。

子の引き渡しにおける直接強制とは?

直接強制とは、裁判所が下した引き渡し決定の期限までに子の引き渡しをしない場合、家庭裁判所の執行官が直接、子どもの居住地に足を運び、子の引き渡しを実現させる手続きを言います。

裁判所からの執行官が現地に直接足を運ぶことになるため、相手の意思に問う間接強制とは比べものにならないほど、子の引き渡しが実現する可能性は高いと言えます。

なお、子どもの居住地よりも、子どもが通っている幼稚園や小学校といった施設に出向いたほうが良いようにも感じられますが、現在、執行官による直接強制は相手の自宅での執行が原則となっている点に注意しましょう。

直接強制にはこうした弱点もあるため、必ずしも子の引き渡しが実現可能と言える手続きではありません。

人身保護請求を利用する方法も

上記の手続きによっても子の引き渡しの実現が困難な場合、最終手段として家庭裁判所ではなく、地方裁判所での手続きになる「人身保護請求の裁判」を利用するという方法もあります。

ここで子の引き渡しを命ずる判決が出れば、判決にもとづく再度の直接強制の後、それでも応じない相手に対しては、「未成年者略取」という刑事罰を与えることによって逮捕させることも可能となっています(詳しくは「子どもが連れ去られた場合は?」)。

なお、人身保護請求は、子の引き渡しにおける最後の手段と言えますが、判断基準が非常に厳しい(詳しくは「人身保護請求の流れと判断基準とは?」)という点と、弁護士への依頼が強制されているという注意点があります。

とはいえ、いずれにしても弁護士のサポートがあるに越したことはありませんので、間接強制・直接強制の段階から弁護士に依頼をしていたほうが無難であることは間違いないでしょう。

カテゴリー:子の引き渡し

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